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一部ネットショップの閉鎖にあたり

ミモザは、この春、7つのショップを閉鎖しました。
歴代の先輩方が悩みながら形にしてきたショップです。
多くの業務スタッフが四苦八苦しながら運営してきたショップです。
そして、お客様、仕入先様に支えられてきたショップです。

簡単な事ではありません…

当然、投下したコストも(いくら実店舗のないネットショップとは言え)、大きいものがありました。
よくネットショップは簡単に出店して、簡単に辞められるんでしょ?と言われます。
ある一面ではそうとも言えますが、多分、一般に思われているよりは難しいものがあります。

最近は、ネットショップ自体が非常に増え、何も考えずに商品さえ登録すれば勝手に売れていく、なんてことはありえません。
入念に市場について下調べをし、競合他社をチェックし、自社ならではの特性や訴求点を見出し、それがしっかり伝わるようにデザインをし、商品までのスムーズな道筋を整え、価格について吟味を重ねる。さらにメーカーや流通事業者との交渉をクリアし、社内の体制を整え、広告予算の検討を行い、キーワードを考え、広告文をひねり出して出稿し、これら全ての要素の調整・改善をし続ける。

ここまで払ってきた労力を捨て去る決断というのは、重いものです。
人件費換算の経費も、非常に大きなものとなります。しかし、持ち続けていても損するため、損切りをするわけです。いや、もっと突っ込んでいうと、現在損していなくとも、将来伸ばす見通しが持てないものは、将来の損失を避けるために、今から維持投資を止めてしまうということです。

負けました。

はい。
何を言っても、言い訳がましくなるので、あっさりと負けを認めるしかありません。

右も左もamazon、楽天。ASKULにカウネット。日本や世界を代表するEC事業者に、配送面、価格面で優位性を打ち出せませんでした。
とは言え、配送・価格の二点では、なかなか中小小売事業者が差別化することはできないというのは、実店舗を含め常識です。
そこで、例えばMD(マーチャンダイジング=売り場・品揃え政策)の改善や、接客の品質向上などを行います。
それは、目で見えるものとは限りません。ネットショップなら、例えばショップページのクオリティや、バナーなどの表示位置や方法を検証し、エスコートする場所を整えたり、文字通りスタッフが勉強して電話応対の精度を上げることなども含まれます。一言で言うと付加価値をつける、その店で買う理由、その店で買っても良いと思える材料を増やすということです。

また、より良い立地に店を構えることも重要です。
WEBの世界での立地は、文字通り検索結果を指します。
検索結果は、必ずしもコントロールできませんが、より良いと思われる方向に向かって努力することはできます。

こういった方策を積み上げてきましたが、ネット通販事業者の絶対数が増え続けているのに加え、資本力に勝る大手企業の寡占化が進んでいるため、差別化を図るための一つひとつの打ち手がより高度になっており、洗練されたものでなければ通用しなくなっています。だから、勝てない戦線が出てきても、何ら不思議ではない。このこと自体は、3年前から分かっていたことでもあります(当ブログでもそのような事を何度も書いています)。

勝てる戦にのみ挑み、必ず勝つ――孫子

そして、戦力の逐次投入を避け、勝てる場所で一気に叩く。
この原則に従うと、今回の決断となります。負けることが分かっている戦線で、戦力を浪費し、勝てる戦線の戦況をも悪化させることは、何としても避けたい。

しかし、また一面では、このような激烈な競争環境でも勝てる戦いがある、現在勝っており、勝ち続けていく自信のある戦線を持っているという事が、今回の決断の後押しをしたという側面もあります。

こうしている間も、安値競争にしのぎを続ける零細ネットショップが、現れては消えを繰り返しています。必要以上に価格を落とし、市場を荒らし、営業利益を下げ、雇用環境を劣化させ、デフレを招き、小売店を潰し、最後はamazonに持っていかれて、日本に収められるはずだった税金はタックスヘイブンに消えていく…なんて馬鹿な話が、現実に起こっていますので、この流れに一石を投じる…ことなどできやしませんが、京都の片隅から、何とか抗っていこうと思います。

何のために、この仕事をしているのか

モノの販売をきっかけとして、お客様の事業発展の力になる。
いただいたご縁の中で、お客様の役に立つ情報や知恵や工夫や勘所をお伝えし、生産性を高めてもらう。そのモノを生かし切るノウハウをお届けする。
ミモザのネットショップは、商品やその周辺情報の発信を通じ、ある種メディアのような役割を果たします。平たく言うと、悩みを含めて何でも訊ける、ずうっと付き合い続けたい頼れる店員さん、商店主を目指します。
大げさですが、ここまで行かないと、ここまで行けないと、お前はその仕事をしている意味がないと言い聞かせています。ここまでできないと、お前の仕事に意味がない。お前が命を削って取り組んでいる仕事、ひいては、お前の存在そのものに意味がないと。
なにくそ!

※現実には、一児の父となり、彼のためにも簡単に腹は切れません笑
 現代日本の核家族・共フル働き世帯の仕事と育児の両立は、尋常ではありません。
 その苦悩と格闘はまたおいおい…。
 愛する家族同僚社長お客様のために、そう簡単にはやられませんよ…

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