文章を書くとき、いつも気にしていること

チャリ男です。年度末にあたり、事業報告書を提出する時期になりました。

今年一年に実施したことを振り返り、目標の達成状況・かい離状況を調べ、原因を探し、課題を見つけ、来年につなげていきます。

そのためには、自分たちが今どこにいるかを知る必要があります。
今何がうまくいっていて、何が問題で、それぞれどのような手を打ってきたか。これが記録に残っていれば、それを踏まえた動きができるので、去年よりも今年、今年よりも来年、来年よりも再来年…と、自らを進歩させていくことの助けになります。
(意外と、同じことを同じようにやって同じ失敗をしていること、多いです…)

そうは言っても、文章を書く、それも、報告書を書く、ということは、なかなか大変な仕事です。
しかも、それは学校ではほとんど教わりません。近頃じゃ卒論すら無い大学多いみたいですし、そりゃどうやったらいいのかわからないよな、と思います。
 
私は、幸いにもそれなりに教えてもらったり、文章を作成せざるを得ない機会を諸々かいくぐってきたことがあるので、この機会に公表しておこうと思います。

今回は、ミモザが発行している「定期メールマガジン」について、本ブログ上で疑似検証を試みます。
報告書やレポート作成で悩めるあなたに、捧げます。

※「雛形」「テンプレート」は、勝手に調べてパクって来てくださいね。
ここでは、「雛形」ではなく、「中身」をいかにして生み出すかを解説します。
※項目の後の数字は、力の入れ具合です。全部で100として、どのくらいの時間と労力をかけるか、です。

 

■まず、誰が読むのか?何のための文書なのか?を考える(20)

これです。ここが分かってないから、沢山の人がエンドレスにやり直しをさせられてます。
分からなければ、作成を命じた上位者に確認します。「分かったつもり」は厳禁です。
極端な話、ここで相手の望む「結論」まで聞きだせれば最高です。(それじゃ報告書の意味なくね?という話はまた後ほど)
…とは言えストレートに「結論は何ですか?」と聞いてはいけません。それでは自分の頭で考えていることにならないので、反則です。「このことについて、こんな風に書いて、こうまとめようと思っています」と、多少無理矢理でも、まとまってなくても意見を繰り出して、反応を観察しましょう。
ここで、「そーじゃないだろ!」と言われたまま、その方向で進めると、この仕事は炎上必至です。すすんで泥沼に入るのはやめましょう。私たちの時間は有限なのです。
上司のタイプによっては「とりあえず、形にして出せ!」と言われてしまう場合もあります。その時の対処もまた後ほど…。

【例】
誰が読む?
・社長 ・他部署のリーダー ・同僚 ・来年の自分
何のため?
・今年の振り返り ・やったことの確認と記録 ・やったことの評価

 

■キーワードをちりばめる(20)

次にすることは、テーマについて自分の思いつくキーワードを挙げることです。
数が勝負です。なんとなく関係のありそうな言葉を、あまり深く考え込まずに放り込みます。
ここの数が出てこないっていうのは、日頃ちゃんと考えてない証拠です。とにかく大事なところなので、自分を甘やかさず、死ぬ気でひねり出してください。

【例】
効果あった
配信停止が多い
配信停止が面倒
配信数
感想
ネタ切れ
腹減った
オンリーワン
隔月発行
他社
メルマガから注文もらった
制作が大変
飽きる
どんな人が読んでるのか
アンケート
反応
ファン
売上
苦情
ブランディング
返信
印象に残る
特徴
差別化
役に立つ

 

■結論を決める(10)

報告書で言いたいことを、決めていきます。
先に挙げたキーワードの様子はいかがでしょうか?
ネガティブなものが多いのか。明るいものが多いのか。前向きなものが多いのか。
ネガティブなキーワードばかりなのに、ポジティブな結論にはなりにくいはずです。
報告すべき内容が良いものであれば、きっとポジティブな言葉が並んでいるのではないでしょうか。

【例】
「メルマガは、他社と差別化し、ファンを作るのに役に立つ。売上にも貢献している」

 

■流れを決める(10)

20、20、10、10ときましたので、ここでもう60の力を使い果たしてしまっています。
大丈夫ですか?これで6割完成!ってくらい、疲れてますか?
多くの方は、ここまでのプロセスが甘い(粗い)です。
さて、この段階では、似たような言葉を集めたり、くっつけます。どうでもいい言葉は削除します。

【例】
どんな人が読んでるのか
アンケート、反応
役に立つ
返信、感想
配信数
メルマガから注文もらった

他社、差別化、特徴
オンリーワン

ブランディング、ファン
印象に残る

苦情
配信停止が多い
配信停止が面倒
制作が大変、ネタ切れ

売上
効果あった

(これを受けて、大きな流れを決める)
(言葉たちは消さずに取っておきます)

どんな人が読んでるかとか、実態とか、記録とか
反応とか意見とか、事実

利点

問題点・課題

結論
次にどうしていくか

 

■見出しを決める(10)

言葉をヒントにしながら、上の流れに沿って見出しを決めます。
見出しって、そんな難しい話じゃなくて、「話題」くらいに考えてください。

(1)メルマガの現状について
・事実・データ
 どんな人が読んでるのかについて
 アンケートでの反応や返信、感想について
  役に立つ
  メルマガから注文もらった
 データ
  総客実績、メルマガ経由購入数
  配信数、配信停止数、継続率
・それについての所見

(2)メルマガの効果や利点について
・他社との差別化について
・自社の特徴や、オンリーワンのサービスになっていることについて
・ブランディングやファンづくりについて
・それって、印象に残るってことじゃないの?ってことについて

(3)現状の問題点と課題について
・寄せられた苦情について
・配信停止が多いことについて
・配信停止が面倒なことについて
・制作が大変、ネタ切れについて

(4)結論と今後どうしていくかについて
・売上貢献について
「メルマガは、他社と差別化し、ファンを作るのに役に立つ。売上にも貢献している」

ミソは、この段階で、その文書の内容が大体分かるようになってるかってことです。
で、この段階で、「とりあえず、形にして出せ!」型の依頼者に持っていきます。
ここでの軌道修正ならば、傷は浅くて済みます。
「とにかく」型でない依頼者にも、この段階でサラッと見せておくと進捗報告になり、安心してもらえます。
 

■とにかく簡潔に、文章を書く(15)

長く書くことが目的とされている文書なんて、はっきり言って、ないです。
小論文とか、ライターさんの仕事だと、文字数決まってますけど、通常の社会人生活でそんなのほとんどないでしょう。短くて簡潔な方が良いのです。この段階で、データが必要になるかもしれません。それは、集めに行きましょう。逆に言うと、この段階まで、データ収集はしなくていいです。
納期迫っててデータ取集に時間がかかりそうな場合、とにかく(多少夜更かししてでも)この段階まで必死にやりきることです。ここまできてからデータを取りに行けば、無駄になることが少ないから。

【例】
(1)メルマガの現状について
・どんな人が読んでるのかについて
 購入者、名刺を交換した方に配信している。
 一回当たり0000件。
・アンケートでの反応や返信、感想について
 役に立つ、ありがたい、楽しませてもらっている、
 今後も情報提供をしてほしい...
・メルマガ経由、サイトへの送客実績
 ○号□□の記事から→000件、購入00件
 ○号□□の記事から→000件、購入00件
 (表形式で)
・所見
 アンケート上では、概ね好意的に受け止められている。
 顧客層は中小零細企業が多いため、彼らに焦点を絞った記事内容とし、
 それが噛み合っている。
 メルマガへの返信で注文をいただいたケースもあった(00件)。

(2)メルマガの効果や利点について
・他社との差別化について
 売っているものに大きな特徴がないため、サービスで差をつけるしかない。
 メルマガはその一つに数えられる。
・自社の特徴や、オンリーワンのサービスになっていることについて
 現在自社ならではの視点や記事が織り込まれていることが大切。
 現在は○○のコラムなどがそれに該当し、他社との違いや個性が感じられる。
 それがファンづくりにつながる。とにかく印象に残ることが大事。
 印象に残って思い出してもらう。
・売上貢献について
 一定量の集客効果を認め、また販売機会も得ている

(3)現状の問題点と課題について
・寄せられた苦情について
 興味がない、読む時間がない、必要ない、メルマガは迷惑...
・配信停止が多いことについて
 メールの内容と受け手の興味がずれている。
 配信リストの重複や対象者選定時の問題。
・配信停止作業に人手を取られていることについて
 システムの仕様と上記課題を解消する必要がある。
・制作が大変で、内容面でもマンネリ化しつつある点について
 定期定期な内容刷新、新たな書き手の確保が必要
・売上への直接の貢献度と、コストのバランスについて
 評価が難しい。顧客接点の創出など、間接的な効果を計測する指標がない

(4)結論と今後どうしていくかについて
「メルマガは、他社と差別化し、ファンを作るのに役に立つ。売上にも貢献している」
・次年度以降も継続。但し、改善すべき事項もあり。
 配信リストの精査
 配信システムの改修
 内容の充実やリニューアル企画
 効果検証体制の整備

 

■思い切って捨てる(5)

枚数の指定があることは稀ですが、基本的にガンガン捨てます。なくても意味が通るところなどはどんどん捨てます。分厚いレポートは百害あって一利なし。記録として読むのも大変、それを元に議論するのも大変。
人間は、自分の払った努力を認めてもらいたいという欲求を持っています。また、自分の費やした労力を無駄にしたくないという気持ちも、本能的に持っています。その「エゴ」に打ち克つのです。
原点に立ち返りましょう。あなたが報告書をつくる目的は、なんだったでしょうか。

【例】
(2)メルマガの効果や利点について
・他社との差別化について
 商品に特徴がないため、サービスで差をつけたい。メルマガは一つの手段。
・自社の特徴や、オンリーワンのサービスになっていることについて
 ○○のコラムに、他社との違いや個性が感じられる。
 とにかく印象に残ることが大事。印象に残って思い出してもらう。
・売上貢献について
 一定量の集客効果を認め、また販売機会も得ている

 

■体裁を整える(10)

ここで(やっと)雛形登場。雛形に沿う形で文章を流していきます。ネットの雛形より、社内の(優秀な先輩の)雛形が優先です。仲良くなっておきましょう。
気にすべきはですますの統一とか、誤字脱字のチェックとか、左寄せ、右寄せの使い分けとか。
書類の体裁にこだわる組織も多いです。記録としての価値を上げるために行われることがほとんどです。標準化が好きな民族ですので、日本に生まれた宿命と思って頑張りましょう。中身に関係ないやろ!と思う気持ち、よく分かります。が、大体そういうこと言うと子ども扱いされて損します。「今の」自分には解せないことなんていっぱいあるのです。それが普通です。歴代の先輩たちと上司たちのすったもんだの歴史(雛形)の上に、自らの主張をサラッと乗せるのがビジネスマンの美学でございます。地味に炎上ポイントですので充分気を付けて!
 

■完成!

 
 

文章は、本当に難しい。

文章を作ることの目的はいろいろあります。
「伝えること」
「考えること」
「記録すること」
会社の(社内の)文書作成は、大体上の3つうちどれかが目的になっています。
これ、どれも仕事する上でめっちゃ重要です。
 
言葉を綴るプロセスは、効率化できません。
 
上のような「やり方」はきっと無数に存在し、その人の思考のクセとか、生きてきた世界とか、読んできた文章とか、書いてきた文字数とかで、しっくりくる「やり方」は違います。
一つ言えるのは、沢山書けば上手くなる、です。
 

ただの『雨』なのか、『山煙り、新緑萌ゆる柔らかな雨』なのか。

言葉の力は、考える力です。知ってる言葉の数が多ければ多いほど、目の前で起こっていることを、より正確に理解できるようになります。すると、頭の中で一度に扱える情報量が増え、もっと考えるのが上手くなります。考えるのが上手いと、文章を書くスピードも早くなりますし、人に伝えるのも上手になります。書くことで、言葉の力を鍛えることができます。
 
最後に、できたら依頼者の望む結論まで聞き出してしまえ!…でもそれじゃ報告書の意味なくね?の話について。
優秀な上司は大体、結論も自分なりに持っています。それと大きく異なる兆しが見えたら軌道修正にかかるでしょうし、大きく期待値を上回りそうな場合は、そのまま任せてくれるでしょう。
同じ現場で、同じ財やサービスを提供していて、大きく見解が異なるなんてのはほとんど一緒にやってる意味ないし、そんなに食い違うなら、紙なんかでやり取りすべきじゃないんです。口頭で議論すればいいんです。その方が早い。
 
それをすっ飛ばすから揉めるんです。書類を作るのはある意味楽なんです。自分の世界に入ってりゃいいから。でも、自分の世界なんてのは仕事の上では意味がないんです。この世界は一つです。みんないて、うごめきあって、良いこともよからぬこともごちゃまぜの理不尽で危なくて面倒臭くてやってらんねーのが世界です。書類の中に、ありのままの世界を落とすためには、依頼者含め、沢山の人の思惑を混ぜ込んでいかなきゃいけないんです。会社の報告書は、貴方の文学作品ではありません。
 
悩ましいあなた。是非、『■見出しを決める』まで頑張って、依頼者の元へ走ってください。
きっと、事態が打開できるヒントが得られます。
 

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