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宇宙に浮かぶお寺

2月の京都、過去のコラムを見返すと、いまだ醍醐寺が出ていませんでした。
醍醐寺といえば五大力さん。五大力さんといえば、2月23日。

まだ身になじまない令和天皇の誕生日、京都では昔から五大力さんの日なのでした。

■醍醐寺とは

当社・ミモザは京都山科にありますが、オフィスの脇、国道大塚交差点から府道35号線・奈良街道を車で南下すると10分ほどで「醍醐寺」に着きます。

真言宗醍醐派の総本山で、前回コラムの比叡山のように、滋賀県域にまたがって200万坪を超える広大な寺領を有しています。
この寺領は「醍醐山」とも呼ばれ、山上を「上醍醐」、ふもとの大伽藍を「下醍醐」と言います。

境内に入ると、いかにも京都の大寺院!といった様子で、伽藍、三宝院、霊宝館、上醍醐と、実に壮大です。ただし、それぞれ別々に拝観料を要しまして、懐に厳しいこと。
全てに参拝したことのある地元人などは、ごくわずかでありましょう…。

なお、醍醐寺は、古都京都の文化財として、ユネスコの世界遺産に登録されています。

なかでも「五重塔」は京都府下最古の建造物で、平安時代・591年建立のもの。
応仁の乱で京都の建築物は殆どが焼失した中、平安時代の建築物は希少で、次に古いのは10円玉でおなじみ、宇治の平等院鳳凰堂が1053年。次いで宇治上神社本殿も1000年代のものとされていますので、醍醐寺の五重塔は頭抜けています。
そして、高いのです。
38mもの建築物を、よくまぁ、重機も何もない1000年前に作り上げたものです。

■醍醐といえば…

さて、「だいご」と聞くと、皆さんが思い浮かべる言葉がいくつかあるかと思います。

まずは「醍醐味(だいごみ)」。
醍醐山中には、今も水が湧いていますが、この水を飲んだのが醍醐寺を開いた聖宝(しょうぼう)という僧侶。彼が修行場を求めこの地をさまよっている最中、この湧き水に出会い「醍醐味なるかな」と感嘆したことから、醍醐寺と名づけられました。

そもそも醍醐味とは、乳の精製における5つの味「五味」における最上級の味のことで、チーズとかヨーグルトみたいなものである、とのこと。
その五味のうちの最上「醍醐」の一つ手前、「熟酥(じゅくそ)」のサンスクリット語(仏典が書かれた言語)が「サルピス」で、「カルシウム」と「サルピス」を合わせた造語が、現代のわれわれが最も気軽に味わえる醍醐味「カルピス」です(熟酥味?)。いやぁ、良い時代ですね。

ちなみに、仏陀が長い修行で衰弱しきっていた折に、乳粥を捧げられ命を繋いだ逸話が残されていますが、この乳粥を飲ませた少女の名があの褐色の恋人、「スジャータ」でして、って、醍醐寺と関係ないですね。

そして、もう一つ「だいご」といえば、南北朝時代をもたらした「後醍醐天皇」。
歴史上有名な「後醍醐天皇」の時代からさらに400年ほど遡ると「醍醐天皇」の時代で、彼が醍醐寺を祈願寺とし手厚く庇護したことから、今日の大寺院としての繁栄に繋がりました。

というわけで、醍醐天皇と後醍醐天皇は別の方です。

なお、「ガンダーラ」と「銀河鉄道999」で有名な「ゴダイゴ」なるバンド名は、リーダーであるミッキー吉野氏が自分の姓「吉野」から、いわゆる南朝・吉野朝廷から後醍醐天皇を連想して名付けたのだとか。
うーむ、やはり醍醐寺とは関係ないですね。

■2月は「五大力さん」

さて、本題の「五大力尊仁王会(ごだいりきそんにんのうえ)」です。
「五大力さん」と呼ばれていますが、「五大力尊」の「仁王会」です。

醍醐寺によりますと、毎年2月23日に行われる醍醐寺最大の年中行事であり、五大明王(不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)の力を授かり、その化身・五大力菩薩によって平和や幸福を願う行事ということです。

京都の老舗の玄関では、この五大力さんの日に授かることのできるお札「御影(みえい)」が、愛宕神社の火除けのお札とともに貼られている様子を見ることができます。

当日は、このお札を目当てに十万人もの人が一斉に寺へ押し寄せます。
さらに、この日だけ金堂と五重塔が無料開放されます。

それよりユニークなのが、「餅上げ大会」です。

男性150キロ、女性90キロもの紅白の大鏡餅を抱え上げて、その時間を競うというもので、 戦後に余興として始まったものですが、巨大餅そのものの存在感と、参加者の必死の形相があまりにも「映える」ので、インスタグラムが流行るはるか前から定着しています。
なんでしょう、「ひたすら巨大な食べ物」というのは、それだけで人を笑顔にしてくれますね。

くしくも、この五大力さんは令和天皇の誕生日と重なり、訪れやすくなったと思った矢先のコロナ禍です(京都の日付が決まっている年中行事は、平日であっても曜日は考慮せず開催されます)。

今年は、餅上げも時間を競うことはせず、神事として事前に選ばれた男女10名ずつが粛々と行うとのことです。

密を避けなければならない故、露店も、お札の行列もお預けでしょうか。

■宇宙に浮かぶお寺

そんな醍醐寺が、ここへきてとんでもない話題を打ち出してくれました。
2月1日の京都新聞の記事がこちら。

京都・醍醐寺が宇宙に寺院開設へ 人工衛星に寺機能、8日に初の「宇宙法要」

な、なんですの?宇宙寺院て??
で、この寺院を搭載する衛星を開発する京大発のベンチャーが「テラスペース株式会社」というのがまた、シャレが利いていていいですね!(意味違います)

2月の醍醐寺、やはり目が離せません。

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