気象庁によりますと、ことしは35度以上の猛暑日となった日の連続日数が、過去最多に並んだり更新したりした地点が相次ぎ、全国914の観測点のうち211地点と、4分の1近くにのぼっているそうですが、ようやく朝夕が涼しくなり、秋の風を感じられるようになりました。
今回は住宅関連の令和6年度の税制改正について説明します。
(1)制度の概要
個人が住宅用家屋等を一定の借入金で取得等した場合には、住宅ローンの年末残高の0.7%に相当する金額が、所得税額から控除される制度で、ポピュラーな減税措置で多くの方が利用されています。
今回の改正では控除率は変更がありませんが、借入限度額が住宅の種類によって細分化されました。
(2)改正内容
□借入限度額
新築・買取再販
認定住宅:4,500万円(◎子育て5,000万円)
ZEH水準省エネ住宅:3,500万円(◎子育て4,500万円)
省エネ基準適合住宅:3,000万円(◎子育て4,000万円)
その他の住宅:2,000万円(◆)
既存住宅
認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅:3,000万円
その他の住宅:2,000万円
□控除率:0.7%
□控除期間
新築・買取再販
認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅:13年
その他の住宅:10年
既存住宅
全て:10年
□所得要件
控除を受けようとする年分の合計所得金額が2,000万円以下
□床面積要件:50m2以上
◎:子育て特例対象個人については、令和6年1月1日~令和6年12月31日に居住した場合には、借入限度額が増額されております。
夫婦のいずれかが40歳未満の者又は19歳未満の扶養親族を有する者を子育て特例対象個人と言います。
◆:その他の住宅で一定の要件を満たさない場合には適用対象外となります。
(1)制度の概要
父母や祖父母など直系尊属から、自己の居住用住宅の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たすときは、一定限度額まで贈与税が非課税となっています。
(2)改正内容
贈与日:令和6年1月1日~令和8年12月31日までの贈与
非課税限度額:省エネ・耐震・バリアフリー住宅……1,000万円
上記以外の住宅……500万円
(1)マンションの相続税評価について
相続税を計算する上で、相続財産を評価する必要があります。区分所有マンション(土地+建物)の評価額については、一般的な土地と建物に関する評価方法で算定されてきましたが、都会のタワーマンションなどにおいては、その評価額(低い)と実際の時価(高い)とに大きな乖離があり、問題となっていました。
(2)改正の概要
このような区分所有マンションの相続税評価額を時価に近づけるため、令和6年1月1日以後の相続・贈与から、区分所有マンションの評価方法が改正されました。
具体的には、築年数、総階数(何階建てのマンションか)、所在階(何階部分を所有しているのか)、敷地持分狭小度(敷地所有権割合は低いか)の4つの指数に基づいて、評価額が補正されます。
評価額 = 従来の相続税評価額 × 区分所有補正率
*評価額の算定ルールについては、国税庁のHPにて計算ツールが公表されていますので、ご参照ください。