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懲戒処分の公表については配慮が必要です!

皆さんの会社には就業規則はございますでしょうか。
就業規則は事業所における統一的な労働条件について規定する文書であり、正社員、パート、アルバイトなども含め、労働者が10人以上になると作成し、事業所管轄の労働基準監督署へ提出しなければなりません。
もちろん10人未満の場合でも、義務ではありませんが作成・提出することはできます。
就業規則には、様々な労働条件を記載するのですが、その一つに「懲戒処分」があります。
懲戒処分とは、業務命令や服務規律など労働契約上の義務に違反した労働者に対して、使用者が制裁罰として行うものをいいます。
懲戒処分の主な種類としては、戒告、譴責、減給、出勤停止、降格(降職)、諭旨解雇、懲戒解雇などが挙げられます。

ところで、懲戒処分を行った場合に、同じような違反行為が今後起こらないようにするため、その内容を公表する場合もあると思います。
そこで今回は、懲戒処分を公表する場合に配慮すべき点について取り上げてみたいと思います。

1.就業規則上の根拠

懲戒処分については、労働基準法により、「定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」を就業規則に記載することが義務付けられています。
なお、懲戒処分をした場合に公表するか否かについては、特に就業規則に記載する義務はありません。

2.公表の範囲

懲戒処分した内容について、どこまで公表するかですが、社外への公表につながると懲戒処分された労働者本人の名誉を毀損するリスクが高まります。
従って、公表は社内にとどめておき、社内での公表資料に「社外秘」と記載するなど、社外に公表しないよう明確に表示しておくのがよいと思われます。

3.公表するときに配慮すべきこと

懲戒処分の公表については、様々な裁判例があります。
懲戒処分自体は有効と判断されたものの、懲戒処分に関する事実を取引先に文書で通知したことを名誉棄損として不法行為であると判断されたものがあります。
また、懲戒解雇処分が無効と判断された裁判例ではありますが、懲戒処分に関する事実を一般の買い物客が閲覧できる場所に掲示したことを名誉棄損の損害額の算定にあたって考慮したものもあります。

社内での懲戒処分の公表にあたっても、公表の期間が不当に長ければ、違法と判断されるリスクが高まります。
公表期間の相場としては、1~2週間くらいが妥当かと思われます。

また懲戒処分の事実をどこまで公表するかについては、被害者保護の観点からも検討を要するでしょう。
特にパワハラやセクハラ事案では、懲戒処分対象者の氏名や内容を詳細に公表すると被害者が特定される恐れもありますので配慮する必要があります。