特別償却と税額控除

連日猛暑が続く中、熱中症には気をつけたいものです。

皆様も御承知とは思いますが、政府は企業の投資促進を後押しする形で、企業の積極的な設備投資に対して税金の面での優遇装置を設けています。

代表的なものは、通常の減価償却費にプラスされる特別償却費や、法人税から控除する税額控除制度ですが、今月はその仕組みや適用を受けた場合のメリット、デメリットを中心に説明させて頂きます。

1.特別償却

固定資産を取得した場合には、定められ耐用年数に基づき、一定の算式により減価償却限度額を計算します。
これを普通償却限度額といい、この普通減価償却限度額内であれば、減価償却費は法人税法上の損金(経費)になります。
特別償却費はこの普通償却費にプラスされる償却費となりますので、企業が計上できる経費が増えます。

<具体例>
取得価額200万円の機械装置を購入した場合(耐用年数6年・償却率0.333)
取得時期は事業年度開始から6カ月後
特別償却限度額 取得価額×30%
(1)普通償却限度額 200万円×0.333×6/12=33万円
(2)特別償却限度額 200万円×0.3=60万円
(3)償却限度額=(1)+(2)=93万円

特別償却費は原則、取得した年度に計上できますので、節税のメリットはありますが、2年目以降の償却費は通常の場合より少なくなります。
つまり、上の例の機械装置は概ね6年かけて200万円を費用化(減価償却)しますので、特別償却を適用したからと言って、6年間の減価償却累計額が260万円にはなりませんので、注意して下さい。

「中小企業経営強化税制」の適用を受けることができれば、事業の用に供した年度に取得価額の全てを償却することができます。
上の例であれば、購入年度の減価償却費は200万円(即時償却)となります。
但し、2年目以降の減価償却費は0円です。

2.税額控除

上記の特別償却の適用に代えて、法人税額から控除する税額控除制度があります。

特別償却との違いは、特別償却は減価償却費という経費を増額させますので、企業全体の純利益が少なくなりますが、税額控除は、減価償却費は通常とおりに計算しますので、純利益が左右されること無く、節税のメリットを受けることができます。

<具体例>
取得価額200万円の機械装置を購入した場合(耐用年数6年・償却率0.333)
取得時期は事業年度開始から6カ月後
普通償却限度額 200万円×0.333×6/12=33万円
(特別償却は採用しない)
税額控除 200万円×7%=14万円(法人税額×20%が限度)

特別償却と税額控除はどちらかの選択適用となっていますので、どちらが有利なのかを検討する必要があります。

上の例であれば、特別償却額60万円に相当する税額は、法人税(地方法人税を含み地方税を除く)の実行税率を約24.4%とすれば、60万円×24.4%=146,400円となり、税額控除の140,000円とほぼ同じになります。

しかし、特別償却は先に説明したように、2年目以降の減価償却費が少なくなりますが、税額控除は2年目以降の減価償却費は通常のままで、減税効果を受けられます。

但し、特別償却制度の中には、100%償却や50%償却のものもありますので、制度の要件や適用時期にも注意して、かしこく節税して下さい。

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