インクジェットプリンターでラベルを作る(後編)

前回は、プリンタが色を作る仕組みや、印刷物を作るにあたって、用紙が果たす重要な役割についてお話ししました。
今回も、多くの家庭で愛されるインクジェットプリンタの話題をお届けします。

■顔料インクと染料インク

インクジェットプリンタの欠点として、にじみやすいことは述べました。

なぜにじむのかと言えば、吹き付けられたインクを紙が受け止めきれないからです。特に、表面加工のされていない普通紙(コピー用紙)などが滲みやすくなっています。
したがって、普通紙設定ではインク量を抑えられ、締まりのない、どこかぼんやりとした印字結果となりがちです。

専用紙を使えば解決できますが、毎回そんなことをしていると、ランニングコストが高くなってしまいます。
そこで開発されたのが、にじませないための顔料インクです。

顔料インクは、染料インクに比べると色の粒子が大きいので用紙に染み込みにくく、上に乗せるような形で定着します。
染み込みにくいので、細かい文字の輪郭がくっきりとして見えたり、特に黒の色がくっきりと濃い色で出たりするなどの長所があります。

そこで気になるのは、顔料インク対応用紙と、同非対応用紙の違いです。

その差は、顔料インクの固着を考慮しているか否かです。
顔料非対応用紙で懸念されることとしては、インクが用紙に固着できず、手や紙などで擦れると取れてしまう症状に見舞われることです。
表面加工が厚く施された光沢紙、レーザープリンタ専用紙、フィルム系の合成紙で起きやすくなっています。

こうした顔料インクと相性の悪い用紙を用いると、たとえ時間をかけて乾燥したとしても無意味で、先の症状を回避することはできません。

とはいえ、顔料インクはすっかり一般的になりました。
黒インクは顔料、カラーインクは染料といった具合に、兼用されている機種もあるのが実情です。

自分のプリンタのインクが染料なのか、顔料なのかは、機種名でインターネット検索をすれば分かりますが(解らなければお尋ねください)、顔料インクだと用紙の選択肢が若干狭まることは否定できません。

■インクジェットプリンタで利用するラベル用紙の選び方

インクジェットなら、当然インクジェット対応のものを選び、さらに、もし顔料インクを利用する機種ならば、顔料インク対応の用紙を選べば間違いありません。

それでは、顔料インクの機種では、顔料インク対応が明記されていない用紙は利用できないのか?
これは一概に言えません。

まず、光沢紙、フィルムラベルは、前述の理由から避けた方が無難です。

一方で、経験上、宛名ラベルなど、文字が主体で、かつ夜の写真など広範囲のベタ塗りがないような印刷内容ならば、普通紙であれば使えると判断して良いと思います。
実際、顔料インクをご利用の皆さんも、普段から普通紙でも多数印刷されているものと思います。
「マルチタイプ」「各種プリンタ対応」などの表記があるものが普通紙に該当します。

なぜ、非対応表記かと言えば、印字結果の安定性はインク、印刷内容、用紙それぞれの要素の掛け合わせとなるため、一概に保証することは難しいからでもあります。

当然ではありますが、やはり本番のデータと用紙、プリンタで試し刷りするのが一番確実です。
サンプル請求はお気軽にどうぞ!
(ヒサゴ製ラベルはご用意できないものもありますので、一度お問合せください)

・ミモザ取り扱いラベル製品の、顔料/染料対応の見分け方

<タックシールショップ>
顔料インクに対応できる商品には、説明文中に「顔料対応」と表記していますが、僅かです。
何も書いていない商品は原則「顔料非対応」です。
ただし、上記の通り、マルチタイプラベルは、場合により充分利用できると案内しています。

<ヒサゴ>
顔料対応状況はすべての商品ページに表示されています。

■インクジェットプリンタで印刷するときのおすすめ設定

★マルチタイプラベルなどの薄いラベル用紙

 普通紙相当の紙質ですのでそのまま「普通紙」設定で印刷してください。
 印刷品質も「普通」で結構です。

★カラーインクジェット専用ラベル、光沢タイプ、マットタイプなどの厚いラベル用紙

 光沢紙やフォトペーパーの設定で行って下さい。
 また、印刷品質も「きれい」を選択してください。
(ご参考)

  • EPSON:専用光沢フィルムまたは光沢紙/推奨設定(高精細)
  • CANON:光沢フィルム、プロフォトペーパー/きれい、カスタム(高品質)
  • HP:プレミアムプラスフォト用紙/ベスト(最大dpi)

カラーインクジェット専用ラベルは、商品ページに以下のアイコンがついています。
http://www.mimosa.gr.jp/oa_label/image/ss_p_colorjet.jpg

前編で紹介した通り、インクジェットプリンタ専用紙は、インクを多く吸うことができるように表面加工が施されています。

このため、多めにインクを吹き付けてもすぐ吸収することができ、にじみません。
その上、紙そのものも鮮やかな白さを持つため、陰影の強いシャープな表現ができます。

印刷時に「専用紙」や「光沢紙」の設定をすることは、プリンタに対しインクを多めに噴出する指令を出すことなのです。

反対に、普通紙相当のラベル用紙に「光沢紙」などの設定を選ぶと、インクが染み込まず、乾きが遅いので他の用紙と擦れて汚れる原因になります。

プリンタは普段使う道具です。

構造は精密ですが、我々ユーザーがコントロールすべきことは、用紙の特性に応じて、インクどのように出すのか、適切に指令を出すことに尽きます。
道具のことを知って、うまく付き合えると、作業もはかどりますし、楽しくなってきますよね。

次回は、レーザープリンタについて掘り下げてみようと思います。

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