インクジェットプリンターでラベルを作る(前編)

こんにちは。
4月から当コラムの担当が変わりました。

引き続き、ラベル作成の際にお役に立てる話題を中心にお届けします。

■インクジェットプリンタの特徴

さて今回は、インクジェットプリンタについて詳しく観察しようと思います。

インクジェットプリンタは、レーザープリンタに比べて「色の再現性」が高いと言われています。
再現性とは、カメラで撮影された画像が、印刷物上でどの程度正確に表現(再現)されるか、という性質のことです。

え?
同じ画像のデータを使うなら、パソコンの画面も、印刷した写真も、一緒じゃないの?
そう思いませんか。

■光と色の3原色

パソコンの世界では、色の表現方法に大きく二つの方法あります。

1.光の3原色(RGB) と、
2.色の3原色(CMYK) です。

デジカメで撮った画像そのものや、それを見るパソコンの画面は、光の情報です。
画素(ピクセル)と言われる一つひとつの点毎に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色それぞれ256諧調の強弱で組み合わせ、色を定めています。
参考までに「R255、G128、B0」で、オレンジです。

様々な色のついた画素が、たくさん集まって出来たのが画像です。

さて、ここまでは「光の」3原色の世界。

これに対して一般的な印刷の世界は「色の」3原色で表現されています。
(インクジェットプリンタも、レーザープリンタも一緒です)

と言うのも、印刷物、多くは紙だと思いますが、紙自体は光を出しませんから、外の光で照らさないと(暗闇では)見ることができません。

自ら光るものは「何色の光を放つか」という情報を持てば良いのに対し、印刷物は、紙に刷り出すインクの色味で画像を表現する事になります。

このため、印刷用のデータは、画素の中にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)それぞれのインクの濃度を100諧調で組み合わせた情報を持ちます。
例えば「C0、M60、Y100、K0」で、オレンジです。

3原色なのに、4色目の黒を含めるのは、カラーの3色を足しても、あまりきれいな黒にならないからです。
(光の3原色から色の3原色、すなわち印刷用データへの変換は、プリンタへの印刷指示を出したとき、自動的に行われます。)

また、インクの濃度と言いましたが、実際の印刷の世界では、この濃度は加減できないため、色の「点」の大きさによって表現します。
すなわち、薄い色はまだらに、濃い色は隙間なく塗る、ということになります。

この色の点は等間隔で並んでいますので、印刷業界の方は「アミ点」と呼んでいます。

試しに、身近な雑誌や広告チラシに、目を極端に近づけて見てください。

薄いピンク色やグレーのところを覗くと……白とマゼンタまたは黒の網目のようなパターンがお判りいただけるでしょうか。
家庭やオフィスのプリンタでも同じで、淡い色を表現するときは、インクを薄めるのではなく、間隔をあけて薄く見えるようにしているだけです。

・色域について

実は、光の3原色の方が、再現できる色の範囲(色域)が広くなっています。

例えば、オフィスソフトなどで蛍光緑や蛍光ピンクのような色を使うと、印刷時にあれ?こんなにくすんでいたっけ?と思う時があると思います。

他にも、よくあるのは、虹のイラストを入れたお手製のチラシ、鮮やかな青い空の画像、ショッキングピンクのTシャツを着た彼女の写真、など。

パソコンでカラー印刷をした方は、どなたでも、あれ?なんか違う……と思ったことが、一度や二度はあると思います。
これは致し方ないことで、光の3原色に比べると、色の3原色は混色をすればするほど暗くなるのです。

もともとのインクの持つ色より明るく鮮やかにならないのは当然で、シアン+イエローを重ねて作る緑色などは、どう頑張っても明るい色を出せません。

そこで、インクジェットプリンタは、再現できる色域を広げるために、機種によってインク自体の色数が4色より多くなっていることがあります。

プロのカメラマン用の機種では9色インクなるものもあるようです。

■インクジェットプリンタの性能を引き出すのは「用紙」

インクを塗り重ねていく印刷の世界で「白」と言えば、それは用紙の色のことです。

インクジェットプリンタのインクは、水彩絵具のように下の色が透けて見える性質を持ちます。
ペンキやポスターカラーのように、地の色を覆い隠さないので、用紙の色が全ての基本となます。

ということは、用紙の色がくすんでいたり、黄色みがかっていたりするとると、印刷の色も影響を受けてしまいます。
このため、高級な印刷用紙は、白さが際立つ、青みがかった鮮やかな白であることが多いです(このような性質を「白色度が高い」と言います)。

用紙の色が鮮やかであるからこそ、インクを乗せた時にも鮮やかな色が得られるのです。

また、インクジェットプリンタは、文字通りインクを吹き付けますので、にじみやすいのが欠点です。
このため、にじみをいかに抑えられるか、というのも用紙の良し悪しを決める要素です。

例えば、印刷設定を普通紙→専用紙→フォトペーパー→プロフォトペーパーと進めると、段階的に使用するインク量が増えます。

それだけのインク量に耐えられる、つまり瞬時に受け止め、吸収できる用紙でないと、すぐににじんでしまいます。 
このにじみを抑える性質は、用紙の表面加工(塗工)の差で決まります。

インクの吸収を早めるために、様々な薬剤を塗り重ね、それでいて光沢感や質感を高めるために工夫された用紙が「インクジェットプリンタ専用紙」として販売されています。

加工されているだけコストがかかり、販売価格も高くなりますが、その分美しい印字結果が得られます。

会議資料に良い紙を使う必要はありませんが、高級さを売りにして高単価な商品に貼り付けるラベルであれば、やはりイメージに合う品質や質感が訴求できる用紙を選びたいもの。

使いどころを選んで、コストとメリットのバランスをとりましょう。

(後編に続く)

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