原料の移り変わり――紙作りの意外な命題

こんにちは、高橋です!

早いものでもう12月ですね。
今年もあと僅かですが、2017年にやり残すことが無いようにがんばっていきたいなぁと思っております。

今年最後のお話は、前回の続き。紙に使われる原料の移り変わりについてです。
紙作りの方法は変わらなかったにも関わらず、原料は時代によって異なりました。
さて、これはどうしてでしょうか。

■原料をどう確保するのか?という戦い

紙作りの歴史は、原料をどのようにして得るのか?という問題との戦いでもありました。

紙は昔、何から作られていたか、覚えていますか?
そう、紙は最初、布から作られていました。

紙は繊維で出来ています。
技術が発展する前は、繊維を植物などから直接抽出することが出来なかったため、布を使っていました。
情報を伝達する道具として優れていた紙は、中国から世界中に伝わり、使われるようになります。

紙が世界中で普及した結果、何が起こったのか、想像はつきますか?
深刻な布不足に陥ったんです。
アメリカではなんと、ミイラの布まで使ったそうです。
その状況の中、布に変わる原料の模索が始まりました。

選ばれたのは、木材でした。
ところが、現代に入ると、それも難しくなってきます。
木材が無秩序に伐採されることで、森林に負荷がかかるようになりました。

そこで、新しいパルプが開発されるようになります。
一度使った紙を再度使えるようにした古紙パルプ、木材以外から作られる非木材パルプ(竹や、サトウキビの残りカスなど)です。

■古紙パルプを使う再生紙

再生紙、という言葉をご存知の方は多いのではないでしょうか。
この紙は、古紙パルプとバージンパルプ(新品のパルプ)を配合して作られます。

古紙パルプ、という言葉は馴染みが無い言葉かも知れません。
ですが、小学校の頃、牛乳パックを洗ってリサイクルに出した経験はありませんか?

あの牛乳パックが古紙パルプになります。
(牛乳パックの古紙パルプは、トイレットペーパーやティッシュペーパーになることが多いです。)

そして、再生紙と一口に言っても、古紙パルプの割合はそれぞれ異なります。
それが一般の人にも分かるようなマークがあります。

Rマークです!

こちらは、見たことがあるのではないでしょうか。
ミモザで取り扱っている再生紙ラベルにも表記がありますね。http://www.mimosa.gr.jp/oa_label/osusume_01.html

Rの隣の数字が、古紙パルプの割合です。
省資源を目的に作られた発明品であるため、消費者に分かりやすい形で訴えているんですね。

良い所がたくさんある再生紙ですが、白色度はバージンパルプに少し劣ります。
その点だけ少し注意が必要です。
気になる方はサンプル請求してみて下さい!

再生紙は一度使われた紙をパルプに戻し、再利用するという紙でした。
これだけでも十分資源を考えていますよね。

いえいえ、紙は進化し続けます。
パルプになる前から、環境のことを考え、作られる紙も生まれました。

■自然と共生するためのFSC認証紙

初耳です、という方が多いのではないでしょうか。
こちらも再生紙と同じく、環境保全のために作られた紙です。
ただ、再生紙と異なるのは、原料となる木材そのものの管理や、流通までチェックしているという点です。

そもそも、FSCとはなんでしょうか。
正式名称は、Forest Stewardship Council(森林管理協議会)です。
その名の通り、森林を適切に管理していこう、という非営利団体です。

違法な伐採をしていないか、また、違法木材と適切に管理された木材が混ざらないか、原料となる木材を厳格にチェックする機関なのです。

品質も、使われている原料の成り立ちが管理されているだけであるため、新品と変わりません。
手間がかかっているため、お値段は若干高いです。
しかし、オーガニック商品などをお取り扱いの場合は、FSC認証紙をお使いに
なられると印象がより良くなるのではないでしょうか。

残念ながら、まだ認知度は低いです。
自然に負荷をかけることなく、木材パルプの紙を使い続けるための活動が、これから先、広く認知されると良いですね。

■紙の可能性を広げる素材・フィルムとユポ紙

省資源だけでなく、時代が進むと、紙に求められることも多くなりました。
そこで、木材パルプだけでは表現できないことを可能にする素材が開発されました。
フィルム素材合成紙です。

水がかかる場所や、とても暑い・寒い場所で使いたいなど、木材パルプでは叶えられない要望を叶えるために開発されました。

フィルム素材と合成紙にはたくさんの種類がありますが、ミモザで取り扱っているのは、PETフィルムとユポ紙です。
PETフィルムは合成繊維(人工的に作られた繊維、ナイロンなど)、ユポ紙はポリプロピレン樹脂(プラスチック)が主原料になります。

PETフィルムは、耐久性に優れるため(外界の気温の変化に強い)、屋外での使用に適しています。
粘着剤にも種類があり、工事現場などでも使える強粘着タイプから、剥がした後に糊が残らないタイプまであります。

ユポ紙は、外観が木材パルプの紙とよく似ています。
表面がほぼ同じような特性を持っているため、印刷も鮮明です。
木材パルプよりも破れにくいですが、屋外での使用には適しません。

どちらも水に強く、丈夫で破れにくいのが特徴です。
木材パルプはその特性からどうしても水に弱いのが欠点でした。
その欠点を補い、かつ、印刷の可能性を広げました。
ミモザでは「耐水」というキーワードで検索していただくと見つかります。

しかし、若干値が張り、まだ木材パルプの紙ほど手軽ではありません……。
印刷の表現の幅は広がりましたが、省資源の切り札にはならないでしょう。

資源がなくなり、原料は移り変わりました。
今は原料の管理を慎重に行っている紙も生まれました。
また、印刷の可能性の幅を広げるために、人工的な素材も開発されました。
有限である資源をどう確保し、利用していくか。
紙を使い続ける限り、その問題と向き合っていくのだと思います。
これから先、フィルム素材が作られたように、思いもよらないものから紙が作られるようになるかもしれませんね。

次回は、紙を使った技術、印刷についてお話したいと思います。

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