2000年前からトライ&エラー!製紙から分かる知恵と工夫

こんにちは、高橋です!

10月になり、少し肌寒くなってきましたね。
来月には、友人と紅葉狩りに行きたい、なんて話をしています。

紅葉、と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

友人や家族と神社仏閣に詣でた思い出でしょうか?
赤く色づいた紅葉を見ながら、抹茶を頂く……なんて経験をされた方も多いのではないでしょうか。

私は友人たちと、紅葉をあしらった和紙作りをした印象が強いです。

簡単なワークショップだったため、私達は原料を「すく」だけでした。
白くどろどろとした原料を均一に伸ばし、紅葉を入れて、乾燥させたら出来上がり。
工程そのものは簡単なのですが、上手にすくことが出来ず、悪戦苦闘しました。

しかし簀子(すのこ)ですく度に、原料が薄い膜のようになり、「紙」に仕上がっていく過程が面白かったのを覚えています。

私が不器用だったせいで表面が毛羽立ちましたが、綺麗な紅葉のおかげで味のある和紙が出来ました。
四季折々のものを使うのが、なかなか粋だよね、なんてことを話しました。

そして皆さん、ご存知でしょうか。
実は、この紙作りの方法は、約2000年程前から変わっていないということを…!

今回は、ラベルに使われる紙がどうやって作られるのか、原料は何か、お話ししたいと思います。

■約2000年前から変わらない紙の作り方

現代に伝わる製紙法が編み出されたのは、西暦105年の中国です。
宮廷の調度品を司っていた長官の蔡倫(さいりん)という方が、作り方を確立させたと言われています。
蔡倫の紙は質が良く、記録材料として優れていたため、広く使われるようになりました。

では、実際に蔡倫の作り方はどういうものだったのでしょうか?

~蔡倫の作り方~
(1)麻のボロ切れを洗い、灰で煮る
(2)臼で叩き、繊維を水の中でバラバラにする
(3)網を張った木製の枠ですきあげる
(4)枠ごと乾燥させる

現代の紙作りも、基本的な工程が同じです。

~現代の作り方~
(1)木などの植物から繊維を取り出す
(2)機械を使い水の中で繊維を叩き、解す
(3)紙をすきあげる
(4)脱水、乾燥させる

比べてみてどう思われるでしょうか?
現代の作り方と蔡倫の作り方はほぼ同じですね。
この優れた製紙法はシルクロードを渡り、中東やヨーロッパに伝わりました。
そして現代まで受け継がれました。

しかし、決定的に違うところがあります。
お気づきでしょうか?

(1)の原料が違いますね。
昔の紙は布から、現代は植物から作ります。
この二つからは、繊維を取り出すことが出来ます。

そう、紙は繊維で出来ているんです!

■繊維の特徴を上手に利用

突然ですが、紙を破った時のことを思い出して下さい。

切り口がケバ立っていませんでしたか?

紙はその時に見える、細かい毛のような繊維で出来ています。
細い糸状の物質が、何万、何十万、何百万……と、複雑に絡み合って出来ているんですね。

蔡倫が知っていたかどうかはわかりませんが、実は、紙は繊維の特徴を巧みに利用して作られています。

なぜ繊維が紙作りに適しているのでしょうか?
現代ではきちんと分かっています!

繊維には、セルロースというタンパク質が含まれています。
セルロースには、水に触れることで互いに強く結びつく、という性質があります。
紙が形を保持し、ある程度の強度がある理由は、この性質を利用しているからなんですね。
ただし、セルロース同士の結びつきは再び水に触れてしまうと解けてしまいます。
紙が水に弱いのはこのせいなんです。

さて、近代に入ると、この繊維を効率よく利用するためにパルプが作られるようになります。

■製紙用に取り出される植物の繊維=パルプ

パルプとは、植物から製紙用に取り出された繊維のことです。

蔡倫が紙をすいていた頃から、随分と長い間、紙は布から作られていました。
しかし、ある時深刻な布不足に陥ります。
パルプは、布からだけでは賄えなくなった原料を補うために開発されました。

原料の違いから、パルプは主に3種類に分けられます。

(1)木材パルプ
(2)非木材パルプ
(3)古紙パルプ

(1)はその名の通り、木材から抽出されたものです。
ミモザでお取り扱いしている紙のラベルシールは主に木材パルプで作られています。

(2)はまだあまり普及していませんので、想像がつきにくいかも知れません。
竹やサトウキビバガス(さとうを作る際に余る残りカス)といった、木材以外から作られています。

(3)は一度使われた紙を、パルプ(繊維だけの状態)に戻したものです。
異物を取り除き、漂白処理などをして、もう一度使えるようにします。
古紙パルプから作られた紙は再生紙と呼ばれます。

時代が進み、効率良く繊維を取り出し、利用することができるようになったんですね。
原料の選択肢も増えていきました。

紙の作り方は大きく変わることはありませんでした。
しかし、効率よく繊維を取り出すために、パルプというものが作られました。
そのパルプにも様々な種類が生まれました。

紙作りには、先人たちの知恵と試行錯誤の歴史が垣間見えます。
優れたものは残し、改良できる部分は改良していく。
私達もそれに倣い、ラベルを上手に使って行きたいですね。


次回は、紙に使われる原料の移り変わりについて、もう少し詳しくお話したい
と思います。

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