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和風オープンエア・テラスへの誘い

全国各地、連日の猛暑です。
とりわけ京都の暑さには定評?があります。この時期、晴れれば35℃以上は当たり前。盆地の京都は風が弱く熱気が籠り、高い湿度も相まって、その暑さは気温以上に過酷なものです。
 
しかし、クーラーも無い昔の人は、一体全体、どのようにしてこの猛暑を凌いでいたのか?
その工夫の一つが「納涼床」(またの名を「川床」)。これが今回のテーマです。
 
納涼床とは川の上に張り出した(あるいは、川が良く見えるところに設けられた)座敷のことです。テレビなどでご覧になったことのある方も多いと思います。川風やせせらぎを感じながら、しばし暑さを忘れ料理に舌鼓を打つ。これぞ日本流、江戸時代から続くオープンエア・テラスといった風情でしょうか。
 
それぞれの床の特徴は地域によりさまざまですが、大きく分けると二つ。
鴨川の「ゆか」と、貴船の「かわどこ」。
順にご紹介してまいりましょう。
 
 
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■鴨川の「ゆか」

北は二条通から、南は五条通りまで、鴨川に沿って100件近くの店が立ち並びます。テレビのニュースで季節の話題として映されるのは概ねこちらでしょう。
 
その歴史は古く、江戸時代からと言われますが、最初は河原に床机(花見などで腰かける、椅子のような机)を置いただけの簡素なものだったようです。
 
現在のような「高床式」が現われたのは明治以降のようで、護岸工事の進展や京阪電車の開通などで、東岸の床は順次廃止、戦後は景観を統一するためのガイドラインも定まって、現在の「床の風景」ができあがりました。
お店については、和食に限らず、イタリアンや中華、居酒屋まで百花繚乱!
 
気になるのは「雨が降ったらどうなるの?」ということですが、心配ご無用。どのお店も、床席と同数の雨天用店内席を用意しています。だから、雨が降ってもドタキャンはしないでくださいね。
 
※正直な話…
残念ながら、鴨川の床は「かなり暑い」です!
路上よりは随分ましでも、なにせ屋内はクーラーが効いているのが当たり前の現代です。座敷は川面から離れており、当日の天候にもよりますが、盆地の夜はなかなか気温も下がりません。
ってことで、体感的な涼しさは期待なさらず…。ま、少々暑い方が冷たいお酒は美味しいですから。
 
 
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■貴船の「かわどこ」

なんといっても貴船は京の奥座敷、「避暑地」です。
緑滴る貴船神社の参道沿いに料理旅館が立ち並ぶ、涼やかで情緒ある街並みです。
気温も、市内より5℃ほど低いです。
 
貴船の川床は、渓流・貴船川の水面から数十センチの高さに設けられ、文字通り「川が床」。こちらは、鴨川と違い、真夏の昼も営業しています(鴨川の昼床は食中毒予防のため、6・9月のみ営業)。
 
※正直な話…
こちらは、文字通り天然クーラー。もうね、寒いです!懐石なんかで一時間も座ってれば、羽織るものが欲しくなるレベルです。
あと、お値段も張ります。無計画に訪れると、肝まで冷えます…。
探してみると、中には割と良心的なお店もありますけどね。
 
ポイントは、確実に予約or昼ならピーク時間を少し外すことです。さもなくば、炎天下の道端で順番待ちという、何しに来たか分からない事態に陥ります。
 
ほかにも高尾や鷹峯、雲ケ畑などの山間部に床を出す店があります。それぞれ地域ごとに売りや個性がありますので、違いを楽しんでみてはいかがでしょう。
 
 
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自然の力に翻弄されながらも、その力を利用する。
たくましい人々の歴史を感じつつも、クーラーに頼る生活の豊かさを思い直す、京の夏です。
 

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