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梅の話

春の訪れを告げる花として代表的な「梅」。
日本で「花見」と言えば、今は桜ですが、それは江戸期以降の話。それより前は「花見と言えば梅」だったという事は、ご存知ですか。
その証拠、ではないですが、万葉集では桜42首に対し梅は118首も詠まれ、圧倒的な人気です。

さて、梅の起源は中国、四川省とされています。奈良時代に日本にもたらされ、栽培が始まりました(日本伝来はもっと前、弥生時代だ、とする説も、そもそも日本の固有種として自生していたとする説もあります)。

日本に伝わった後も複雑に交配が進み、紀州の「南高」や関東の「玉英」など、地域ごとにかなり細かく300を超える固有種が分布しています。

梅は、梅干しに代表されるように、食用としても重用されてきましたが、万葉集で盛んに詠まれたことからもわかる通り、伝来当初は花を愛でることに重きが置かれたようです。
京都でも、梅と言えば「観梅」のイメージが強いように思います。

今回は、春を告げる梅の見どころをご紹介してまいります。

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□菅原道真と梅

北野天満宮は947年創建、福岡の太宰府天満宮と並ぶ、天神信仰の中心地です。
「天神さん」は言わずと知れた菅原道真公。京都で「天神さん」と言えば、北野天満宮のことを指します。

彼は大層梅がお好きだったようで、庭に多くの梅を植え日常的に愛でてていたことなどに因み、北野天満宮にも多くの梅が植えられています。その数、実に1,500本。もちろん、梅園として市内随一の規模です。

天神さんの神紋が「梅」なのも、命日である2月25日には盛大に「梅花祭」が開かれるのも、道真公と梅とのつながりによるものです。

北野天満宮の梅は種類が多く、早咲きの「寒紅梅」は正月明けに開花し、様々な梅の花が3月下旬まで楽しめます。梅苑公開は例年2月上旬から始まります。

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□京都梅スポット

・梅宮大社
「梅」と名前がとつくだけに、境内450本余りの梅の木が植えられています。
それもそのはず、こちらは祭神が「梅」そのものなのです。

梅宮大社のご利益は、酒造と子授け、安産と言われています。
梅が見頃を迎える毎年3月第1日曜日には、子授けと安産、諸々の産業繁栄を祈願して「梅産祭」が催されます。どう読むのか?「うめうめまつり」です。
なんだか面白いですよね。(いや、今のご時世、時と場合と相手によっては少々気に障るかもしれません…)

当日の参拝者には、お神酒や、神苑の梅で造られた梅ジュースがふるまわれます。地元の方ばかりのアットホームな雰囲気のお祭りです。

・京都御苑
御苑は、京都御所を囲む周囲4kmにおよぶ庭園です。
東京遷都前の「元皇居」ですが、東京の皇居と比べると、少々こじんまりしているように思われます。

ただ、その敷地は非常に開放的であり、一般の市民も自由に御苑内に立ち入ることができ、近隣の方は公園として散策したり、抜け道として自転車で通り抜けていったりと、気軽に利用(?)しています。

さて、京都市の行政区、右京区と左京区は、地図で見るとそれぞれ左と右に位置し、逆なのでは?と疑問に思われた方もあるはずです。その理由が、この京都御所が南に向けて建っていることによるというのはご存知でしたか?
御所に立ち、右手を右京、左手を左京と称すのは、ちょっとした豆知識。

御苑内には梅の木がおよそ200本植えられ、市民の目を楽しませてくれます。
なお、御苑内は常に開放されており、梅の花も気軽に楽しむことができますが、御所の見学は春秋の特別公開期間を除くと、宮内庁への事前の申し込みが必要です。

・隋心院
ミモザからもほど近い山科区小野(おの)に位置するお寺です。
こちらの梅は「小野梅園」と呼ばれるとともに遅咲きで知られ、例年3月中旬ころに見ごろを迎えます。

境内は薄紅色の花を咲かせる木が多く、この「薄紅梅色」を「はねずいろ」と読むことから、隋心院の梅は「はねずの梅」とも呼ばれています。
また、隋心院は小野小町邸跡ともいわれ、境内には文塚や化粧井戸など、遺構が残ります。

それに因んで、年にたった一日(3月最終日曜日)だけですが、小野小町と深草少将の恋物語を題材にした「はねず踊り」の公演があります。
この踊りは、小町から百日間途切れなく通い続けたら受け入れると言われた深草少将が、毎日足を運び続けた挙句、百日目に大雪のため願い叶わず凍死したという伝説をもとにした芸能です。

・ひと足のばして青谷梅林
宇治市の南隣、城陽市にある、京都府下最大の梅林です。
全国区ではないかもしれませんが、近畿では名の知れた梅の名所です。
「南部梅林」ほどメジャーではないので、落ち着いて散策できます。

こちらの魅力は、なんといっても丘陵地にひしめく一万本の大迫力、あたり一面が甘酸っぱい香りに包まれます。寺社の中で観梅用に丁寧に管理された梅苑と違い、生産地としての梅畑ですから、スケールが違います。

JR奈良線「山城青谷駅」から歩いてアクセスできます。
梅の時期、道中には迷わないよう、のぼり旗が沢山出ていますよ。

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□観光の時期としても「穴」

「いい塩梅(あんばい)」という慣用句があります。
これは、古来より梅が酸味を加える調味料として塩と一緒に用いられ、酸味と塩味が調和したことを言い表す言葉として用いられてきたものです。

梅の花が咲くころの京都はさしずめ「いい塩梅」。
例年、桜が咲き始めると京都市内は花見客で大混雑します。
ただでさえ海外からの観光客が押し寄せている昨今、その傾向はより顕著でしょう。だからこそ、梅の季節は寒さの底も過ぎ、人も多すぎず、散策にはいい頃合いです。

ただし、さすがに天神さんなどは人気があって混雑します。開園直後など、早い時間に訪れることをおすすめしたいと思います。

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