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伏見とお酒

正月になれば、親族が集まって宴会、友人とは新年会、会社によっては仕事始めの神事と、何かとお酒を飲む機会が増えそうです。
京都は日本酒造りが盛んな土地で、全国シェアで言うと約2割。兵庫県に次ぐ規模です。中でも京都市南部の伏見地域には、全国区の酒蔵が集積しています。

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■ 伏見?伏水?

現在の伏見(ふしみ)区は、伏見稲荷大社の門前町として、また桃山城の城下町として発展した、京都とは別の独立した街でした。
地名の由来は諸説ありますが、一般には豊かな伏水、すなわち地下水が豊富な土地であったことからだと言われています。
現在も神社や酒造会社の敷地、小学校の脇などあちこちに湧水が出ています。

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■ 水運で栄えた伏見

伏見は本当に水に縁の深い土地です。
江戸時代に入ると京の都とは高瀬川運河で結ばれ、大阪に向かっては元々淀川が流れるロケーションです。地の利を生かし、伏見は大消費地の京都と大阪に挟まれた交通・物流の要衝として大いに発展します。特に旧市街の丹波橋から中書島界隈にかけては運河が張り巡らされ、海のない京都市域にあって「港町」として栄え、酒造りもまた大いに盛んになりました。

しかし、幕府は直轄領地の酒蔵(灘など)を保護する目的で伏見の酒を京で売れないよう制限し、江戸末期にはすっかり衰退してしまいました。

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■ 伏見のお酒、再興の歴史

「英勲」齊藤酒造
「黄桜」黄桜酒造
「月桂冠」月桂冠
「松竹梅」宝酒造
「玉乃光」玉乃光酒造
「桃の滴」松本酒造
「神聖」山本本家

どことなく、ピンときませんか。
一度衰退した伏見の酒造りが盛んになったのは明治中期以降。陸軍の第十六師団が置かれてからでした。何千、何万の軍関係者、出入り業者がこの地に集うのですから、公用、私用に、大いに需要が膨らんだことでしょう。

これで伏見の酒蔵は息を吹き返し、資力をつけた業者は、開通したばかりの鉄道で東京に販路を求め、全国区のメーカーへと発展していきます。

今、陸軍庁舎の遺構は聖母女学院の校舎として、また、伏見区深草と京都を結ぶ道は「師団街道」と呼ばれ、その名をとどめています。

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■ 伏見を歩く

伏見は、独立した都市という事で、京都市内にあって、どことなく京都ではない表情をもっています。

それは、街の中を縦横にめぐる水路によるものかもしれないし、京阪や近鉄、JR奈良線といった地上を走る鉄道、あるいは洛中乗り入れは遅々として進まない高速道路かもしれない。はたまた、白壁と土蔵が続く「城下町」なる風情か、京セラや任天堂といった大企業の壮麗な社屋か、桃山にそびえる復元天守かもしれない。とにかく、京都市街にはない独特な土地の顔があり、歩いていて楽しい街です。

・御香宮神社
境内の湧水が良い香りが漂い、病気に効いたことから清和天皇が「御香水」と名づけたと言われています。知名度、水量共に伏見の湧水の筆頭格で、またの名を石井(いわい)と言います。近隣の井戸を巡るスタンプラリーが催されることも。

・酒造会社の資料館
月桂冠大倉記念館や黄桜カッパカントリーなど、酒造会社直営の資料館が点在しています。
酒や麹を使った美容グッズや和洋のスイーツも沢山。日本酒を飲まない方、苦手な方も楽しめるのでは。
また、展示施設がなくても、ガラス越しに蔵を見せてくれたり、直売所や喫茶室(試飲室?)が併設されている蔵もあります。

・十石船
残念ながら冬季の営業はありませんが、運河を巡る船が運行されています。
月桂冠大倉記念館裏、寺田屋からそれぞれ乗船可。珍しい内陸の港町・伏見の景色が眺められます。

・伏見稲荷大社
実は、「トリップアドバイザー」という、米国で最も影響力のある旅行WEBサイト(…日本で言うじゃらん?)で、外国人に最も人気のあるスポットとして紹介されたのがこの伏見稲荷大社。
ガイジンさんが選んだのは、金閣寺より、清水寺より、伏見稲荷。どうやら映画SAYURIのロケ地として有名なのだとか。確かに、日本人でも、初めて千本鳥居を見たら思わずAmazing!と叫びたくなります。

京都の冬は底冷えがきつく、過ごしにくい季節です。一方で、燗の酒がおいしい季節。
伏見は京都でも南に位置し、市内ほど冷え込みません。新春は稲荷大社の初詣とあわせて伏見の路地を訪ね歩き、利き酒に興じるのも楽しいでしょう。
路地を曲がるとほのかに香る甘いお酒、お米のにおい。ほんわかあったかい、伏見の旅です。

※アクセス…JR京都駅から、奈良線で一駅「東福寺」で京阪電車に乗り換え、「中書島」下車。駅で地図やガイドなどが手に入ります。
伏見稲荷大社へは、JR京都駅から、奈良線で二駅「稲荷」下車、京阪電車は「伏見稲荷」が最寄です。

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