日本一長ーい祭

それは、皆さんご存知、京都の祇園祭です。

京都にお住まいでない方は、テレビや新聞で「宵山(7月16日)」や「山鉾巡
行(同17日)」が取り上げられることが多いので、7月中旬に行われるイメー
ジが強いかもしれません。

実際には、1日の吉符入(神事始め)から31日の夏越祭までのひと月31日間、
みっちり行事が詰まっております。故に、「日本一長い祭」と称されるとか。
ここではあえて目立つ山や鉾ではなく、それ以外にどのような祭礼が行われて
いるのかという、少々マニアックなお話をしましょう。

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そもそも、祇園祭は何のための行事なのか。
その起源は、貞観5年(西暦863年)の「御霊会」まで遡ります。

~様々な学説がありますので、以下代表的なものを少々乱暴ですが分かりやす
く説明していきますと~
この時期(旧暦6月頃)平安京には毎年のように疫病が流行り、医学が発達し
ていない当時、町衆はこれを「死者の祟り」だと考えました。

そこで、彼らは祇園社(八坂神社)の神・牛頭天王(ごずてんのう)を、人々
が暮らす地域まで神輿でお連れし、七夜の後にまた本社へお送りするようにし
た、というのがルーツです。

牛頭天王とは当時の八坂神社の祭神ですが、その姿かたちや豪放な性格から
人々はおろか、神々の間でもおそれられるほど。

そのような「おっかない」神様をあえて街のど真ん中にお招きするリスクを
負ってでも、悪霊を追い払ってもらおうという、まさに「虎の威を借りた悪霊
退散祈願」、これが祭の発端です。

『御霊会としての』祇園祭のメインイベントは、今でもこの神輿渡御ですから、
八坂神社まで神様をお迎えに上がり、四条御旅所までお連れする行事は、派手
な山鉾巡行の陰に隠れてこそいますが、脈々と受け継がれています。

例えば…
★10日と28日の「神輿洗」
日暮れ後、四条大橋の上で、神輿を鴨川の水(神用水)によって清めます。
水しぶきを浴びると厄除けになるそうで、沢山の人が集まります。

★15日「宵宮祭」
八坂神社境内の灯を消し、暗闇の中で神輿に神霊を移します。

★17日「神幸祭」
日中の山鉾巡行で盛り上がった興奮冷めやらぬ雰囲気の中、祇園祭はその信仰
の核というべき神輿渡御に突入します。3基ある神輿は、それぞれ決まった
ルートを通って、八坂神社より四条御旅所(四条寺町)へと渡御します。

★24日「還幸祭」
神輿が御旅所から氏子の地域を通って八坂神社へ戻ります。
またまた盛大に渡御します。

★「無言参り」
17日から24日の間、神輿は神社を出て、四条御旅所へ留まっています。
花街の芸舞妓の間では、7日間毎夜この御旅所に無言で詣でると、願いが叶う
と言い伝えられているとか。

ここでは神輿にちなむ行事をかいつまんだだけですが、大小さまざまな祭礼を
合わせると7月中はほぼ毎日、ひっきりなしに祇園祭の行事があるのです。

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さて、怖ーい神様の機嫌を損ねぬよう、慎重かつ丁寧に進む、長ーい祇園祭で
す。書き始めるときりがなく、これまた長ーーくなってしまいます。
えらく気の長い話ですが、来年の6月号に続きます。

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