金と悟りとライトアップ

自転車です。

【メルマガコンテンツ】というタイトルがついている記事は、弊社がお客様に

お送りしているメルマガの記事内容を、アーカイブとして保存しておくための

ものです。今回は12月1日に発行しました。

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12月と言えば、全国各地で行われる「ライトアップ」の最盛期です。
京都でも毎年いくつかのライトアップイベントが開かれます。

中でも筆頭格は「嵐山花灯路」。

これは平成17年から始まったイベントで、もともとは観光の閑散期に客足を
増やそう、祭礼や紅葉など目玉のないシーズンに新たな風物詩を作ろう、とい
う趣旨でした。

ライトアップされる区間は阪急嵐山駅から渡月橋、大河内山荘~野々宮神社近
辺の竹林の道などです。
また、沿道の天龍寺、宝厳院、常寂光寺、二尊院なども夜間参拝が可能で、
境内・庭園がライトアップされています。
今年(2012年)は12月8日~17日まで開催されます。

但し、この花灯路、数年前までは地味でしたが、回を重ねるごとに知名度が上
がり、お客さんが随分増えてしまっています。
12月の日中・静かな京都と、夕刻の嵐山・まぶしいライトと人いきれのセット
でお楽しみください。

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さて、日本の冬の風物詩ともなったライトアップ。実は、京都では一足早く
11月が最盛期です。
紅葉シーズンに実施される各寺社の「夜間参拝」がこれにあたるのですが、
最近では、有名かつある程度の規模のお寺は、ほぼ片っ端からライトアップを
実施しています。

それも、元をたどればたった一つの寺院が始めたことでした。
「高台寺」――18年前、東山・円山公園を下がったところにあるこのお寺が
初めて行った試みこそが、京都の夜間参拝の元祖です。

中心的役割を担った僧侶・後藤典生氏は後に、
「私がライトアップを発想したもっとも大きな理由は、参拝客を増やしたい
と思ったからです」。と語っています。~『高台寺物語』四季社、2008年

当初、このライトアップは京都仏教会より猛反発を受けました。
そりゃそうでしょう。高台寺は仮にも臨済宗のいわゆる「禅寺」です。
ギラギラ輝く絢爛なライトアップ庭園と、参拝客を増やしたい=金が欲しい
という熱い思い。
それって…めちゃめちゃ雑念ですやん!
私が時の仏教会の重鎮だったら、多分相当怒ったと思います。

それが、現在の高台寺はその名を全国に轟かせ、雑誌紙面を賑わし、京都
随一の観光寺院の名を欲しいままにしています。
しかも、もともと高台寺は、平成に入るまで一般公開すらされていなかった
のです。

荒れ果てた伽藍を再興したい、それにはどうしても金が要る。そのためには
なんとしても参拝客を増やさなければならない。しかし後発。誰も見たこと
のないものを見せなければ、誰も惹きつけられない。

そんな僧侶の一途な思いが結実した起死回生のウルトラC、それがライト
アップだったのだそうです。

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歴史を守ろう、残そうという、ともすれば変化を拒絶する圧力が渦巻いている
イメージの京都では、時折、こういう突飛なイノベーションが起こります。

しかし、元来、京都にはそういう新しいモン好きの感性も根付いているような
気もします。高台寺のライトアップは、押し寄せる観光客や市民に支えられ、
その流れは他の寺院に波及し、今では先述の通り、どこもかしこもライト
アップを実施しています。

今、冒頭で紹介した花灯路の主催者である「京都・花灯路推進協議会」には、
当初ライトアップに猛反発をした「京都仏教会」が名を連ねています。

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