時代祭の裏側

京都三大祭と言えば、葵祭、祇園祭と、「時代祭」です。

祇園祭と比べたら、幾分地味なイメージかもしれません。

それもそのはず、祇園祭の歴史は1000年、葵祭にいたっては1450年とも言われ
る中、時代祭は1895年(明治28年)からのスタートですから、まだ
「たったの」117年。三大祭の一角とするには、少々大げさかもしれません。

…が。
しかしです。

このお祭りの最大の目玉は、なんと言っても「時代風俗行列」。

さまざまな時代の有名・無名の人物に扮した人々が、京都御苑から平安神宮に
かけての公道を、総勢2,000人・全長2㎞にも及ぶ大行列となって進みます。

コースの全長は4.5kmというのですから、先頭の列が平安神宮にゴール
した時点で、最後列はやっと半分を少し過ぎたところ。

あのディズニーの「エレクトリカルパレード」でさえ、全長700mですから、
この祭りのスケールは、半端なものではありません。

しかも、長大な行列の構成員一人一人の衣装は、綿密な時代考証に基づき、
素材から染色まで京都の伝統芸能の技術の粋を結集して作られているものな
わけです。
(双眼鏡持って来いと言われるのはこのためです)

また行列の一列一列それぞれに、平安京の始まりから明治維新までの役柄と
設定が与えられ、坂本龍馬から織田信長、紫式部など、歴史上の有名人まで
出てきます。
(歴史の教科書を持って来いと言われるのはこのためです)

さながら全市公認のコスプレイベント状態。それを明治のころから延々楽しん
でいるというのですから、日本人のメンタリティは、そう簡単には変わりま
せんね。

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そうそう。私は学生時代をこの街で過ごしてまいりましたので、京都の大学生
名物・時代祭のアルバイトに触れぬわけにはまいりません。

そもそも、この行列の参加者は「平安講社」なる、京都市内に明治時代から
ある旧学区をいくつか組み合わせてまとめた自治連合会を単位として割り振ら
れます。…といっても、その割り振り方は一様ではなく、学区ごとに当番制の
如く持ち回りをしたり、特定の職にある方や、親類縁者が毎度同じ役を務めたり、
様々です。

その中で、いわゆる「身分の高い役」の割り振り方法は色々あるわけですが、
「その他大勢」、おつきの人々は一般住民、または大学生のアルバイトなども
動員し、人数をそろえていきます。

というわけで、毎年時期が来ると、市内各大学のバイト募集掲示板に御触れが
出ます。ちなみに、大学によって、どこの行列になるかは決まっています。

男女の枠も決まっています。どんなにイケメンでも、織田信長にはなれません
ので悪しからず。男女の出会いもございませんのでご容赦を。

ちなみに、気になる日給は7000円前後。拘束はほぼ丸一日、しかも慣れない
衣装に身を包んで歩き回るわけですから、それだけ見たら、あまりオイシイ
仕事ではないのかもしれません。

そのためか、近年ではバイトの枠が埋まらずに苦労しているようです。

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さて、そんな時代祭の開催日は毎年10月22日。曜日にかかわらず、固定です
(荒天順延)。残念ながら今年は平日・月曜日です。

.この10月22日は、平安神宮に祀られている桓武天皇が、長岡京より平安京へ
奠都(てんと)をした日ということで、いわば京都の「誕生日」。

全市を挙げて、平日の真っ昼間に、仕事も学校もかなぐり捨ててこんな巨大な
パレードをやっちゃおうって言うんだから、やっぱり京都は粋な街。

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