従業員を懲戒処分するときの5つの原則

皆さんの会社には就業規則はございますでしょうか。就業規則は、自社の企業秩序を守るために、法に触れない範囲で会社が自由に作成することのできる会社の法律のようなものです。

就業規則には、労働時間、休日、賃金、服務規律、懲戒処分など、労働者の労働条件に関する様々なルールを盛り込むことができます。

そこで今回は、就業規則へ定める各種ルールのうち、労働者の懲戒処分についての5つの原則について解説させていただきたいと思います。

1.懲戒処分の種類

就業規則に定める懲戒処分については、下記のような種類があります。

  1. 譴責
    始末書を提出させ、将来を戒める。
  2. 減給
    始末書を提出させるとともに、賃金を減ずる。
    但し、減給の額は、1事案について平均賃金の1日分の半額を超えないものとし、また、複数事案に対しては減給総額が当該賃金支払期間における賃金総額の10分の1を超えないものとする。
  3. 出勤停止
    始末書を提出させるとともに、7日以内の期間を定めて出勤を停止する。出勤停止期間中は賃金を支給しない。
  4. 降格
    始末書を提出させるとともに、上級職位を解任して下級職位につける。
  5. 諭旨解雇
    退職を勧告して解雇する。但し、勧告に応じない場合は懲戒解雇する。
  6. 懲戒解雇
    解雇予告期間を置かず、また解雇予告手当を支払わないで即時に解雇する。
    ただし、行政官庁の認定を受けないときは解雇予告手当を支払って即時に解雇する。

2.原則その1(罪刑法定主義の原則)

法律で刑事罰を科すには、どのようなことをしたらどのような罰を受けるかということをあらかじめ決めておかなければなりません。刑法などがその例です。

同じく就業規則でも、例えば無断欠勤5日したら降格処分にするなど、あらかじめ規定しておく必要があります。

3.原則その2(不遡及の原則)

法律が施行される以前にした行為に対し、その法律を適用して処罰することはできません。

同じく就業規則でも、就業規則の施行日前に行った行為に対し、就業規則を適用し懲戒処分することはできません。

4.原則その3(一事不再理の原則)

法律では同じ行為に対して、2回以上処罰することはできません。

同じく就業規則でも、例えば1つの業務命令違反について、2回の懲戒処分をすることはできません。

5.原則その4(相当性の原則)

懲戒処分の対象となる行為と、それに対する懲戒処分の内容はバランスのとれたものである必要があります。

例えば、欠勤1回で懲戒免職などでは行為と処分がバランスがとれておらず、懲戒処分が無効になる可能性があります。

6.原則その5(平等取扱いの原則)

過去に懲戒処分となる行為をした者がおり、その者に対して懲戒処分をした場合、その後同じ行為をした者が出た場合には、同じ内容の懲戒処分としなければなりません。

7.まとめ

就業規則には、企業秩序を守るため、服務規律や懲戒処分などを記載することが多いです。
具体的にどのようなことを書くべきかという決まりは特にありませんが、従業員の方に自社の社員としてふさわしい行動を取ってもらうため、またどのような行為をしたらどのような処分をするかという会社の意思を伝えるため、これらにつきたくさんの項目を就業規則に盛り込んでおくのがよいと思います。

また、就業規則に規定していても、それをきちんと運用していないと意味がありません。

今回ご紹介させていただいた5つの原則を常に念頭に置き、懲戒処分をする際には、公平公正な対応をすることが肝要です。

就業規則は、会社が会社を守るための「強力な武器」です。
定期的にメンテナンスをされることをお勧めいたします。

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